FitbitがApple Watch・Androidスマートウォッチに独自の路線で対抗するために発売したフィットネストラッカーの進化版「Ionic」を大人気モデルのCharge 2とも比較しながらレビューしていきたいと思います。
5/22/18 更新
Ionicの発売後半年が立ち、兄弟商品のVersaも発売され、フィットネストラッカー本体、アプリにアップデートがあり、さらに進化し良くなった部分を加筆しました。
デザインと付け心地
パッケージの中身はトラッカー本体、Lサイズのバンド、Sサイズのバンド、充電ケーブル。
Charge 2やAlta HRはバンドのサイズを選んで購入しなければいけなかったので、手首のサイズが違う家族や彼氏彼女と共有できなかったので、ちょっと嬉しいですね。
今回購入したのはゴールド・ブルーのモデルで、スポーティなデザインに、Blazeを超える重圧感と高級感があり、フォーマルスーツにもスポーツウェアにもマッチし、かなりスタイリッシュです。
バンドの素材はCharge 2やAlta HRと同じで、重さもほとんど感じず、一日中、仕事中や就寝中に付けていても気になりません。
Charge 2との比較
Charge 2と比べると、ディスプレイの幅は軽く2倍ありますが、厚さはほぼ同じ。
肌にあたる心拍計センサーのサイズ、バンド素材も同じなので、幅が広い分、長袖シャツから出しにくい所はありますが、付け心地はCharge 2ほとんど変わりありません。
ディスプレイが大きくなり、3つのボタン・スクリーンタップ・スクロールで
- エクササイズモードの起動
- 音楽再生
- タイマー設定
- 通知設定
- Bluetoothヘッドホン設定
- アプリの起動
等、いろんな操作がスマホなしでできるようになりましたので、かなり使い勝手がいいです。
また、Charge 2やAlta HRのようにディスプレイ・メニューアイテムの設定も細かくカスタマイズできます。
Ionicはカラー対応で、解像度も高いので、文字盤がかなりかっこよくなりました。
5/22/18 加筆分
文字盤のチョイスはFitbitが用意したものだけではなく、サードパーティからのチョイスも増え、かなりのバラエティがあり、とても充実しています。
もちろんバンド交換もでき、気分・服装・イベントに合わせてオシャレができます。
アクティビティ管理機能
IonicにはBlaze・Charge 2・Alta HRといった最近のモデルにはなかった「GPS搭載」と「50m防水」の2つの新しい機能が追加され、よりアクティビティ管理機能が充実されました。
GPS機能
Blaze・Charge 2・Alta HRはスマホのGPSを使用して、走行距離・速度・経路を正確にトラックできる「モバイルラン機能」がありますが、IonicにはGPSが搭載されましたのでスマホがなくても、これらの情報が正確にトラックできるようになりました。
このようにランニング中にトラッカーを傾けると平均速度等の情報が表示され、ランニングのペース管理が正確にできます。
さらにアプリでは走行経路・心拍数の推移・エクササイズ詳細情報も確認する事ができます。
SmartTrack(エクササイズ自動認識)
メジャーなフィットネストラッカーメーカーのMisfit・Jawbone・Nokia Health(旧Withings)にもあるエクササイズ自動認識機能ですが、精度はFitbitがダントツです。
詳しくは「Fitbit Charge HRとSurgeにエクササイズ自動認識機能(スマート・トラック)が凄い!」記事をご覧いただきたいと思いますが、このように「ランニング」「ウォーキング」だけではなく、「サイクリング」も認識してくれて、さらに自動で分類もしてくれます。
モバイルラン機能
Fitbit系には初代のフィットネストラッカーからあった機能で、スマホのGPSを使用して、経路情報・速度情報・距離情報などを記録してくれる機能です。
アプリからこの機能を起動する必要がありますので、GPSが搭載されているIonicではあまり使わなくなりましたが、この機能を使用するとランニング中の走行距離や速度を音声で知らせてくれます。
音声通知機能は自由にカスタマイズする事ができます。
運動促進通知
Blaze・Charge 2・Alta HRにもあり、他のメーカーのフィットネストラッカーでもある今や標準機能です。
指定した時間帯に、1時間毎に 250 歩を歩くのを通知してくれる機能です。
ミュージックプレイヤー機能
個人的にはこの機能はIonicに新しく搭載された機能の中で一番のお気に入りです。
ストリーミングサービスのPandoraは現在ではアメリカのみしか利用できませんが、Ionicには内蔵ストレージが2.5GBもあり、自分の好きなMP3といった音楽ファイルを保存する事ができ、Bluetoothヘッドホンとペアリングさせ、スマホなしでエクササイズ中に音楽を聞くことができます。
まず注意しないといけないのが音楽ファイルの転送はスマホからはできなく、WindowsかMacのパソコンが必要になります。
最初の設定は少し面倒ですが、一度設定しちゃえば次からはとても簡単にできます。
まずはIonicにWifi設定をし、パソコンと通信できる状態にします。
次にパソコン用のFitbitアプリをインストールします。
Fitbitアプリを起動すると、転送手順が表示されますので、手順に従い、トラッカー本体から音楽転送メニューを選択すると、パソコンとのファイル転送が可能になります。
MacではiTuneのプレイリストの中から好みのプレイリストを選択すると、そのプレイリストの中の音楽ファイルすべてがIonicに転送されます。
日本語の曲名やアーティスト名の表示も問題ありません。
しかし、ここまでだとまだ音楽を聞く事ができませんので、次にBluetoothヘッドホンの設定を行います。
Bluetoothヘッドホンの設定
今回使用したのはApple AirPodsとPowerbeat 3です。
トラッカー本体からBluetooth設定メニューを選び、次に「デバイスの追加」を選択すると、ペアリングモードをオンにしたApple AirPodsとPowerbeat 3が見つかり、簡単にBluetoothヘッドホン登録ができます。
これでスマホなし、邪魔なケーブルもなしで、Ionicだけ身につければ好きな音楽を聞きながらエクササイズができ、とても快適です。
Fitbit Pay決済機能
この機能もIonicの目玉機能です。
クレジットカードを登録するとNFCを使い、腕をかざすだけで支払いができちゃうという便利機能です。
最近は勢いがなくなったJawboneですが、実はこの機能は2年以上前にUP4すでに搭載されていました。
カード追加方法はとても簡単で、スマホアプリからカード名義人名・カード番号・有効期限を入力するだけで追加する事ができます。
3分もかからず、このようにカード登録ができました。
支払い方法もとても簡単で、左にあるボタンを長押しするとカードがトラッカーに表示されますので、後は手をかざすだけで決済できます。
ただこの機能が、JawboneのUP4が2年前から実装しているのにも関わらず、業界標準機能として広まらないのは2つの問題があるからです。
1つはこの決済方法をサポートしている銀行が少ない事です。
だいぶApple PayやAndroid Payをサポートする銀行は増えてきましたが、それでもまだまだサポートしていない銀行の方が多く、Fitbit Payをサポートしている銀行はまだ6つしかありません。
- American Express
- Bank of America
- BECU
- Capital One
- First Tech Federal Credit Union
- U.S. Bank
2つ目は、NFSを利用した決済方法を受け付けている店舗がまだまだ少ない事です。せっかくお財布を持ち歩かなくてもトラッカーで支払いができるのですが、行きつけのレストラン・コンビニ・スーパーがこの決済方法を受け付けてなければ使えません。
目玉機能でありますが、アメリカでも、ましてや日本ではまだまだ一般的に使用できる機能ではありません。
通知機能
着信・テキスト・カレンダー通知機能してくれる機能です。
この通知機能でスマホを鞄やバックの中に携帯を入れていても、仕事の電話を取り逃すという事はなくりましたが、IonicもまだLineやメールの通知は未対応だったのでとても残念でした。
5/22/18 更新
待望のLINEの通知だけではなく、Gmail、Slackなどメジャーなアプリの通知はすべて対応されましたので、とても便利になりました!
しっかり日本語対応されていますので、日本語通知も問題ありません。
自動睡眠記録
就寝・起床時間を自動で記録し、睡眠状態を分析してくれる機能です。しかも昼寝も検出してくれます。
いままでは就寝時の心拍数データを使用せず、「目覚めた回数」「寝返りの回数」しか分析してくれませんでしたが、新しい睡眠分析機能はさらに「レム睡眠」「浅い睡眠」「深い睡眠」と細かく分析してくれるようになりました。
また他のメーカーにない機能として、「ベンチマーク」機能があり、同年齢の平均範囲と比較してくれて、自分の睡眠状態がどうなのかも知る事ができます。
アプリ機能
Apple StoreやPlay Storeのように自由にアプリをインストールして使えるというコンセプトなのですが、現時点では天気、Strava、Starbucksアプリぐらいと種類が少なく、せめてLineアプリがあれば、通知機能が使えるのになぁと思っているのですが、今後に増えてくるアプリに期待したいと思います。
5/22/18 更新
今はアプリの数は数え切れないぐらいあり、Bitcoinなどの仮想通貨のレート変動も確認できるアプリなんてあります。
これぐらいアプリが充実していて、充電が4日も持つのは素晴らしいとしかいいようがないです!
バッテリーの持ち
仕様でのバッテリーの持ちは4日間と記載されていましたが、毎日の35分のランニングにGPSと音楽再生機能を使用しても、4日持ちましたので、これらの機能を多様しなければ5日〜6日は持ちそうです。
充電器は専用のもので上と下がないので充電しやすくなりましたが、どのモデルも純電器が違うので、いい加減統一して欲しいです。
まとめ
心拍計が搭載されているフィットネストラッカーとして完成度の高いCharge 2・Alta HRが同じ価格の$149.95(約15,000円)で、Ionicが$299.95(約30,000円)ですので、ほぼ2倍の価格になります。
日本で使用するとなると、実用レベルで活用できる機能は、GPSと音楽再生機能(プラスBluetoothヘッドホンサポート機能)になりますが、エクササイズには毎回スマホを携帯するという人であれば、モバイルラン機能とスマホで音楽再生すれば、代用できますので、2倍の価格を支払う価値はないかもしれません。
もしかしたら水泳を日々のエクササイズにしている方は50M防水機能は大きいかもしれません。水泳は泳ぎ方や運動強度によって消費カロリーが大きく変わります。防水で心拍計が搭載されたフィットネストラッカーはIonicしかありませんので、そういう方にとっては、この価格を出す価値はあります。
決済機能も、サポートする銀行が増え、この決済方法を受け付ける店舗も増えれば、財布・スマホなしで、Bluetoothヘッドホンだけを持って、エクササイズに出かけ「帰りにお買い物やコーヒー1杯♫」なんてできるかもしれませんが、まだまだIonicのポテンシャルを使いこせる時代が来るのは先になりそうです。
結論としては、たくさんのアプリメーカーがFitbit対応アプリを開発し、決済機能が使える環境が整えばを含めて、Ionicの使い方が広がり、15,000円余分に出して買う価値はありますが、現時点ではやはりオススメはCharge 2・Alta HRになりますかね!?
5/22/18 更新
発売当初からだいぶ改善され、Lineやメールアプリの通知、充実した便利アプリのラインアップなどを考えると機能としては、Apple WatchやAndroid Wearに引けは取らないので、独自開発した省エネOSで充電も4日は持ちますので、自信をもってIonicはオススメできます。
Fitbit Ionic
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Fitbit Alta HR
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Fitbit Charge 2
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