Fossil買収後も、オシャレを追求した独自のデザインでライバル社に差別化をしてきたMisfitですが、今回はフットネストラッカー企業「初」Android Wear採用のスマートウォッチVaporを発売しました。
さっそく先日発売されたFitbitのスマートウォッチIonicや人気商品のCharge 2とも比較しながらレビューしていきたいと思います。
デザインと付け心地
パッケージの中身は時計(トラッカー)本体、交換式バンド、充電ケーブル、マイクロファイバーケースの4点。
バンドはワンサイズでストッパーが2つあるので、手首の細い人が付けても、長いバンドが邪魔になりませんが、このストッパーが少し通しにくく、充電のために最低1日2回付け外しするので、ちょっと煩わしく感じます。
最近のAndroid Wearを搭載したスマートウォッチはどれも高級感があり、普通の時計にはない独特のデザインですが、さすがオシャレさでは業界トップMisfit!
フォーマルスーツにもカジュアルウェアにもマッチして、ゴツくなりすぎない品のある高級感で、洗練されたオシャレ感を醸し出しています。
Fitbit Ionicも普通の高級時計とは違う雰囲気がありますが、Vaporはさらに独特の雰囲気を持っています。
ちなみに値段はIonicの方が一万円以上高いです。
Fitbit Charge 2と並べると同じフットネストラッカーとは思いないですよね。
付け心地ですが、普段身につけている時はあまり感じませんが、エクササイズ中はかなり重さを感じます。
厚みもあり、袖口のタイトなシャツだと、シャツに入らず、少し邪魔に感じる時があります。
就寝時ですが、1日1回の充電が必要ですので、身につけて寝るということはありません。
アクティビティ管理機能
フィットネストラッカーの基本機能の加速度センサーを使ったアクティビティ管理(ステップ数)ですが、Vaporではディフォルト機能ではなく、Android WearのGoogle Fitを使用して行われますが、Misfitアプリ上ではいままで同じように表示されていました。
心拍計機能
Vaporの目玉機能ですが、ライバル商品のFitbit Charge 2は自動で定期的に心拍数を計測し、消費カロリーを計算しますが、Misfit Vaporは自動では計測されず、スマートウォッチアプリでアクティビティ計測を開始した時と、マニュアル操作で開始した時にしか動作しません。
Fitbit Charge 2と心拍計の精度を比較してみました。
何回か計測してみましたが、Misfit Vaporのほうが正しい数字を記録している時が多かったです。
GPSと心拍計を使用したエクササイズ計測
スマートウォッチアプリを立ち上げ、エクササイズの種類を選択し、計測を開始すると、スマフォのGPSを使用し、走行距離・速度・経路の計測、心拍数の計測が始まります。
選べるエクササイズの種類は
- ウォーキング
- ランニング
- サイクリング
- 水泳
- ハイキング
しかなく、それ以外のエクササイズをする場合は、心拍計を使った計測ができませんので、少し残念です。
また、この機能が不安定で、最初の何回かエクササイズデータが正しく取れていませんでした。
一つ目の原因はランニング中の自動停止機能です。止まってもいないのに、誤作動し、その間のランニングデータが取れていませんでした。設定でオフにできるので、この問題は解決する事ができました。
もう一つはスマフォのGPSを使用した距離・経路データ計測問題です。
このようにデータがうまく記録されておらず、まったくデータが使い物になりませんでした。
同時に使用していたFitbit Charge 2ではまったく問題なく、すべて正しく記録されていました。
Misfit Vapor vs Fitbit Charge 2エクササイズデータ比較1
Misfit Vapor vs Fitbit Charge 2エクササイズデータ比較2
何度かサポートとやり取りし、スマフォに接続されているBluetoothデバイスの接続をすべて切り、GPSを使うアプリをすべて停止した結果、やっと正しい距離と経路データが収集できました。
平均心拍数もFitbit Charge 2と比較しても割と近いデータが出ていましたので、問題なく計測されていはいたのですが、消費カロリーの計算には未だ問題があり、まったくこのデータはあてにありません。
正確な消費カロリーの計算には、心拍計を使用した運動強度データの計測が必要なのですが、これでは心拍計が搭載されている意味がまったくありません。この問題はまだサポートとやり取りをしていますが、まだ未解決です。
Android Wear (アプリ)の機能
Misfit Vaporは自社OSではなく、良くも悪くもAndroid Wearを採用しましたので、Android Wearの機能やアプリがすべて使えるようになりました。
設定・動作にはMisfitアプリだけではなく、Android Wearアプリのインストールも必要ですが、設定は割りと簡単にできました。
Android Wearペアリング
Misfitアプリペアリング
Android Wearは完全日本語化されていますので、日本語表示にはまったく問題ありません。
音楽再生の操作も時計画面上でき、アーティスト名や曲名の表示もまったく問題ありませんでした。
親会社のFossilではすでにAndroid Wearを採用したスマートウォッチがたくさん出ており、その流れでMisfitのラインナップに追加されたんだと思いますが、ノウハウが活かされておらず、現時点ではとても快適にアプリを使えるレベルではありませんでした。
バッテリーを長持ちさせるための自動でオン・オフされるWifi機能や電話との接続機能がうまく動作せず、地図アプリや翻訳アプリ、Google Assistantなど、スマートウォッチで人気のアプリがたびたび使えないシーンがありました。
通知機能
個人的にAndroid Wearを採用した事で1番良かったのは、電話・テキストメッセージ、カレンダー、メール、LINE、その他のアプリの通知は、ディフォルトですべて時計画面に表示されるようになった事です。
また、どの通知を受け取るかも設定できますので、「LINE以外の通知は受け取らない」「メール以外の通知は受け取らない」など、自由にカスタマイズする事ができます。
バッテリーの持ち
ぎりぎり1日持つといった感じです。アクティビティ計測アプリや、地図アプリなど、バッテリーを食うアプリを多用すると、夕方には電源節約モードの通知がでます。
Misfitのフィットネストラッカーの長所は充電をしなくて良い所だったのですが、Android Wearを採用し、多機能化していまうとここは妥協せざるを得ない部分なのかもしれません。
まとめ
Android Wearを採用した事により、スマフォ系アプリが使え多機能化されたメリットか、いままでのMisfitの長所であった独特のアクセサリー的オシャレを追求したデザインと充電不要の手軽さか、はっきりと好みが分かれると思います。
スマートウォッチとして評価するのなら、まだまだ品質的に不安定な所はありますが、これらの不具合は時間の問題で解決されますので、Android Wearアプリが使えて、心拍計も搭載されていて$199.99(約2万4千円)で購入できるのは、比較的にコスパは良いと思います。
ただ、Google Fitを使わないと「歩数計測もできない」「睡眠管理機能ができなくなった」など、フットネストラッカーとしての標準機能が使えず、Misfit社の持ち味だった独特の洗練されたアクセサリーとしても身につけられるデザインや、充電不要の手軽さがなくなったのは、Misfitファンとしてちょっと残念です。
やはりフィットネストラッカーファンとしては、オシャレ性と手軽さを追求されたMisfit Rayか、心拍計機能をフルに活用し、徹底したアクティビティ・睡眠管理ができるFitbit Charge 2かAlta HRがオススメです。
購入をご検討の方へ
Misfit Vapor
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Misfit Ray
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Fitbit Ionic
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Fitbit Charge 2
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